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「月満ーっ!!!
こんなところでサボるなっ!
課題は終わったのかっ!!!」
バーチャルルームの一角にある談話室に響き渡る怒声もすっかり日常に馴染んでしまった。
「サボってませーん♪
他の訓練生とお話をして見聞をひろげ…」
「言い訳をするなっ!!!」
話も途中で頭をはたかれる。
月満亮はこの春からDB訓練生としてこのバーチャルルームでスネークマン率いる教官陣から指導を受けている。
成績は優秀なのだが、自分のすべき事が終わったりするとこのように自由に歩き回るので教官は少し手を焼いていた。
そんな亮をこうして叱り飛ばすのは愛犬ガルムを従えたスネークマン教官である。
「課題は終わってますよぅ~何もはたかなくっても~」
「お前はこのくらいせんと反省せんからな!
医療学の教官から注意されたそうではないか!」
「うはぁ~情報早いなぁ…でも、課題はちゃんとしましたよ?」
「課題をすればいいという問題ではないっ!お前の姿勢の問題だっ!」
「次回から椅子には正座で座りまぁっす♪」
「おーまーえーはーっ!!!!!」
再び拳を振り上げたスネークマンの脇をすいとすり抜け談話室の出口まで駆け出した亮はにこやかな笑みを浮かべた。
「スネークマン教官~怒鳴ってばかりだと、血管切れちゃいますよ?
そうなったら…亮泣いちゃう~少し、そちらでお茶でもどうぞ♪」
「お前が怒らせる事をしなければいいんだっ!!!」
はぁいと返事だけは元気にドアの「close」を手早く押した。
「毎日元気だなぁ~教官も」
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