第8章 居場所

28/29
16079人が本棚に入れています
本棚に追加
/265ページ
「言い過ぎたかな?」 優しい仁は、須賀の居た場所を見る。 珈琲を飲む敬太は、そんな仁に視線を合わせないまま、言った。 「別にいいんじゃないか?」 カップを机に戻し外を見た敬太は、背伸びをした。 「まぁ、なんにせよ、明日からは学生生活がまた始まる訳だな♪ また、ダラダラと楽しく学校行こうかねぇー あっ、そうだ、そろそろお前は、実家に帰るんだろ?」 「………」 敬太と仁は、暫く目を合わせたままになる。 えっ? 「ええええ!! 何?その間、その白々しい感じ、お前まさか、帰んないの? 居座るつもり?確かにお前んち所有のアパートだけれども、冗談だよな?」 仁とは、一緒に住めと言われれば住めなくはないと思う。 しかし、コイツと一緒に住めば、あの幼なじみの連中が黙っていないだろう。 皆でいつまでも入り浸るに違いない。それは、非常に迷惑だ。
/265ページ

最初のコメントを投稿しよう!