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紗耶香、竜二、仁、聡が集まると、一番不服そうな竜二が言った。
「敬太いったい何処に行ったんだ?」
「さぁ?
だけど、ここに帰ってくるのは間違いない訳だし、あの慌てようからして、かなり急ぎの用事みたいだから余計に気になるわよね?」
紗耶香は、顎に手を置いて企みを感じる様な表情をした。
「彼女かな?」
聡の何気ない一言が不味かった。
紗耶香の目がキラリと光る。
そして、彼女が携帯電話を握りしめると、仁は、その動きを予測していたようで、手を押さえた。
「やめておいた方が良いって…」
わざとらしい驚いた様子で、白々しい顔を見せる紗耶香は、首を傾げてブリッコ全開。
「なーに?仁ったら、私の考えてる事わかったの?やーだ!エッチ!!」
どこぞのオバサンの様に彼女の携帯電話を押さえた手をバシバシと叩く。
本当に美人が台無しだ。
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