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「紗耶香何しようとしたの?」
竜二は、痛そうに叩かれた手を降る仁に問う。
「千春さんに電話だろ?」
流石の竜二も眉間にシワを寄せる。
「あの千春さんに電話で彼女疑惑話すのか?鬼だな紗耶香……」
聡が呟くと、仁は、無表情のまま付け足すように口を開く。
「しかも面白がっているから質が悪い。みんな!紗耶香だけは、敵に回すなよ!」
男三人は、コクコクと頷いた。
「分かっているにしては、大変許しがたい発言ね?」
穏やかに微笑む紗耶香は、誰よりも怖く感じた。
皆幼馴染み、お互いの家に行き来し、家族ぐるみの付き合いがある。
お互いの家族構成やある程度の性格も分かっていて、かなり仲は良いのだが、千春に関しては若干の怖さを感じる。
それでも女同士、千春と紗耶香は、もともと気が合うようだ。
千春とは、敬太の親、と言っても血の繋がりは無いのだが、恐ろしく敬太を溺愛しており、ストーカー紛いの事もやりかねない母親。
千春へのだいたいの情報源は紗耶香に違いない。
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