第1章(呼び出し)

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ただ今PM1:00 空は快晴、真上に上がった太陽の光りが激しく、外では、蝉の声が聞こえ、溶けそうな程の暑さを余計に暑く感じさせる。 暑さで溶けていたのか?男は、だるそうに、ゆっくりと身体を起こすと携帯を見て、メッセージを確認する。 目を擦ってあくびをしながら見るのは、遊びとバイトに明け暮れているからだ。 真っ赤なトゲトゲしい頭をした細身の男、年齢20歳、大学2年生。 「やっべー・・・俺何かしたっけ? 今は確か夏休み? ・・・寝たらダメだよなぁ・・・。つーか、重要事項なんて書くくらいなら、普通に電話してくれればいいのに……」 体を再び倒しながら、カレンダーに目をやって今月が8月であると確認するのだが、諦めた様にため息をついた。 まだ、ハッキリと起きてはくれない身体を無理矢理に起こした彼の名前は、敬太、上半身裸にスエット姿で欠伸をしながら頭をガシガシと掻いている。 なんとも怠そうで、掃除、洗濯、料理の等、出来そうに見えない男、その見た目と部屋の様子は、随分と伴っていない。
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