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「仁君、良かったな!じゃないよ。魔力制御装置は、身体への負担がデカすぎるんだ。
重複なんてあって良いものじゃないんだよ。
元々は、魔力を上げる為のトレーニング用のモノなのに、敬太君の場合は、力の制御の為に使ってるし、使い方間違っているんだよ。」
タヌキの癖にしっかり心配してくれているらしい。
でもまぁ、そうでもしなきゃ、こっちの世界には居られなかった。
逃げ出したあの日、あの雨の中、俺が生きる為には5つの制御装置を使う必要があった。
限り無く0に近づけた魔力で、こっちの世界に移転する。それが俺の自由を勝ち取る為の近道だったから……
「俺達兄弟は3才になるとピアスを一つつけるんだ。
それは、成人するまで外してはいけない魔力制御装置。
だから、付けてない奴が変だって思ってた。まぁ、追っ手から逃げなきゃいけなかったし、それには魔力を抑えるしかない。」
仁は、敬太に問う。
「と言う事は、彪流もついていると?」
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