第8章 居場所

27/29
16079人が本棚に入れています
本棚に追加
/265ページ
「松宮家に例外はナイよ。 でっ!? 須賀さん?帰らなくていいの?仕事は??」 敬太は、早く帰れと言わんばかりの顔で須賀を見た。 「今日は、働かない気ですね。」 仁は敬太からパスを貰ったかの様に須賀に追い討ちをかける。 ゴホン 「本当に容赦ないですね? では、敬太君、報告書を一週間以内によろしくお願いします。 あと、バイトは今までどおりですから! でわまた・・・。」 須賀は、居心地の悪さから移転魔法で消えようとしたが、背中を向けた後振り返った。 「あぁ敬太君……… 良かったですね? でわ…………」 須賀は、穏やかに微笑むと、指を鳴らして消えた。 良かったですね?………… 「って、何がだよ! 主語がねぇーから分かんないよ!」 敬太は、そう口にしながらも口の端を緩めていた。 ちゃんと分かっている。結果壱覇は、俺の望むようにこの世界に居ることを許してくれた。 立場上、それは難しいはずだ。 須賀の″良かったですね?″は、きっとそう言う意味だろう。
/265ページ

最初のコメントを投稿しよう!