結成

6/12
前へ
/22ページ
次へ
「…これだけわかってるのになんで捕まえられないのかな」 優奈が呟いた。確かにそんな気持ちもわからなくはない。 「証拠…あればいいんでしょ…」 全員一斉に李玖を見た。李玖は事件を楽しもうとしているかのように口角をあげた。 「証拠って…そんな簡単に!」 「まぁまぁ、落ち着いて」 恵が未来をなんとかなだめる。一瞬部屋は静まりかえった。一息つき恵が口を開く。 「とにかく、決めることは決めといたほうがいいと思うよ?」 「そうだな…ただ適当に動き回ったって解決しない。警察が苦労してるんだからな…」 拓真の言葉にまた静まりかえった。だが未来が口を開いた。 「じゃあ、何決めたらいいんだよ?」 「それは…」 「チーム名!」 さっきまで黙っていた由美香が手を挙げ大声で発言した。恵の言葉も遮り。 「いいな!よし、チーム名決めようぜ!」 「さすが未来先輩、そうこなくっちゃ!」 未来と由美香はすっかり意気投合したみたいだ。隣で拓真は呆れていた。恵は苦笑いをするしかなかった。 「なんかいいの…スーパー探偵団とか(笑)」 さすがにこのアイデアには由美香も対応できなかった。 「未来先輩ダサッ…」 挙げ句の果てには瞳にすら突っ込まれている。なんとも情けない光景だ。 「Student Detective…」 「えっ?」 さっきまで一言も口を聞かなかった佐奈が急に話し出した。 「生徒探偵でSudent Detective、略しでSD゙なんてどうかな…」 自信なさげに意味を話す。全員話すのをやめ静かになった。
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加