結成

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紙に書いてあったのは 司令塔 情報収集 潜入者 囮役 裏工作 尾行、追跡 「恵先輩すごーい…!」 由美香は口をポカンと開けその紙を見ていた。 「この司令塔って未来先輩?」 「いや、無理だろ。」 瞳の言葉に拓真がすかさずつっこむ。 「これは井坂がやるべきだな。」 「えっ、俺が?」 「役割分担の提案、さっきの相沢をなだめる様子からしてお前ぐらいだろ。この仕事ができるのは…」 「たしかに…恵ならできるかもな!」 いくら自分の批判が混ざっているとはいえ拓真の言っていることは正しく、未来はうなずくしかできなかった。 「恵は学校でも成績優秀だから大丈夫だよ!」 「うーん、そうかなぁ…」 優奈と恵はなんだか微笑ましい光景だ。 「二人って仲いいんだね。」 佐奈が微笑みながら話しかける。二人はとくに動じることもなく答えた。 「一応クラスメートですから。」 「この2年間、あたしたち同じクラスなんですよ、ね?」 「あ、うん!」 未来はふーん、と呟くだけでとくに触れもしなかった。みんなもへぇといったような反応だった。一人をのぞき…。 「そ、そうだ…ただのクラスメートだ…優奈に限って決してそんな…」 小さな声で呟くさっきまでクールに決めてみんなをバカにしていた男、拓真をのぞいては…。 「拓真先輩って…」 「シスコン…?」 「あれはカナリ度が過ぎてるよな…」 おバカ3人組(未来、由美香、瞳)にこんな噂をされるのも無理はない。3人がこんなあだ名を付けられるのも無理はない。
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