結成

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「ねぇ…」 李玖が話し出すと全員は静かになる。 「話戻そうよ…」 「そ、そうだよね…」 「須賀之のせいじゃん」 「そっ、そんなぁ…」 李玖とまともに会話できるのは佐奈ぐらいだろう。まわりのものは着いていくことができていない。独自の世界と言ったところだ。 (李玖先輩って裏番長だよな…) 未来だけでなく全員が同じことを思っていた。 「じゃあ、話戻そっか。」 恵がパンと手を叩くと全員が話すのをやめた。そしてまた李玖以外がテーブルに向かう。 「次は情報収集だな…」 「冷静な判断ができる人がいいよね?」 「演技力みたいなのもちょっとあったほうがいいんじゃね?だって情報収集はある意味囮だろ?」 未来が長々と話すとみんなは口を開け未来を見つめていた。 「な、なんだよ…」 「いや…未来先輩でもいいこというなぁって思って…」 「同感だな…」 「あたしも…」 「うちも…」 「あ、あたしも思ったかな…」 「人が変わったの…?」 みんなが口々に未来の悪口を言っていく。まるで昔からの友達のように。さすがに最後の李玖の言葉はキツイと思うが…。 「お、俺のことよく知らねえくせに…んのやろ…」 拳を握りしめ必死に耐えていた。ここで騒ぐとまたうるさいと言われてしまうかもしれないから。
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