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街の中に飛び出しあたりを見渡す。すると走り去っていく人影を見つけた
「…ぜってぇ逃がさねえ!!」
未来は全速力で人影を追いかける。だがその影も負けじと逃げまどう
「んのやろ…まちやがれ!」
近づけば遠のき、近づけば遠のき…その繰り返しをしばらくしていた
そして30分程度だろうか…しばらく走りつづけ体力も限界、ましてやあまり知らない土地…すっかり街中からは遠くなり周りは草や木、コンクリートだけの世界になった
「ハァ…この…人…殺し…」
呼吸を整えようと深呼吸をする。そしてすぐあたりを見渡す
「おい…人殺し出てこい!隠れてんじゃねえ!」
すると背後からカサカサッと物音が聞こえ、反射的に振り向いた
「…こんばんは」
暗く顔はよく確認できないが背丈は未来よりも高く声からして男だ
「このっ、ふざけんな!!」
未来は犯人らしき人影の声を聞くと相手に飛びかかった
「まったく…せっかちですね」
いくら男といってもまだ成長期の中学2年生
自分より遙か背の高い…おそらく大人だろうと思われる男に力で勝てる訳もなく、あっという間に押さえられた
「は、離せ!」
「まぁ落ち着きなさい…相沢未来君…」
「なっ…」
未来は驚きを隠せなかった。相手は自分の名前を知っていた…なのに自分は相手を知らない、というよりわからない
「お父さんの仇でもうちたいのかい?」
「あ、当たり前だ!つーかなんで父さんが死ななきゃ…うっ…」
男は未来の口をハンカチで塞いだ。
「もし…もう一度出会えたら教えてあげますよ…」
「なっ…」
未来が息をした瞬間、意識は途切れた
「相沢未来君…面白い子だ…また会えるのを楽しみに待ってるよ…」
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