宵闇に悠久のカナシ

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人は儚き生き物なりて、時に儚さからこそ強いのではないかと思わせる。 悲しみは悠久の宵闇に置いてこればよいのに、人はその悲しみをまた持ってくる。 そしてまた、その悲しみは…繰り返される。 終止符をうつべき、『その時』が巡る。 巡る…時は無限のようにみえ、時間は1~12の数字で区切られている。 『時』はカチコチカチコチと電池がつきるまで動く。 儚くも悠久の時間は、人が『生』を生きてゆく時を刻む。 それは『心臓』で、それは生きとし生けるものすべてにあるもの。 人工的に作られたそれを『人工生命』と人は呼ぶ。 錬金術によって人間を作ると、その呼称は『ホムンクルス』と言う。 人は悠久の時間をもとめ、だれかに会うために記憶を持ち、次世に産まれる。 記憶は幼い頃、親に言葉を話せるようになった頃に話し、親はそれを嘘だと言って記憶を持った子の多くは…物心がつく前に忘れてしまう。 宵闇の夜に、その記憶は忘れ去られる。 悲しいかな…人は悠久の時を求め、さ迷う。 それこそが―… -宵闇に悠久のカナシ- ~END~
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