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<僕が死んでも、悲しむなよ…?>
ふっと、アイツが死んだのが、心のどこかで分かった。
涙がこみ上げてきた。
頬を涙が一粒、伝う。
今日はアイツの命日で、おれは墓の前にいる。
あの日のことを思い出すたびに、心のどこかで…
アイツが『泣くな』と風になって傍にいてくれている気がする。
「大丈夫だ。おれは…もう、君を忘れはしない。だが、だれかを代わりにする気もないんだぜ!?」
<君の事だから、そろそろ吹っ切れる頃だと思ってたよ。僕…いや、"ボク"は今…『前世の記憶』を持って生まれ変わっているんだ>
<…じゃあ、『記憶』を持って生まれてもまだ『テレパス』へのなり方は覚えてたんだな。もう少し早く使って欲しかったよ…どれだけおれの中で夜が明けなかったと思ってるんだよ!>
<ああ…それは、その…もうちょっと前に君が"僕"の死から吹っ切れ、もとの君に戻れるかと思ったんだ。でも、そんなにボクの『前世の彼』が大切だったんだね、君にとって。いいよ、今から一人暮らしを許して貰って、君の側に行くからさ。彼が住んでいた場所、今も入居者はいないよね>
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