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「ねぇ、こんな関係不毛って思わないの?」
思ったとおりの返事が返ってくることを承知の上で言葉を声に出した。
「君だって思わないのかい?」
ほら。やっぱり。
分かりきっていた答えにホッとしたと同時に、ショックを受けている自分もいて考えないように相手の目を見た。
目が合うとかるくそらされる。
その行為があまりにも自然だったので気にもとめない。
研究室でひとつのコーヒーを二人で飲みながらそんな未来のない話をする。
あたしはこんな時間が好きだった。
あたしと先生との差は、年だけでいうと22歳。
ほかの差をあげてしまうとキリがないからやめるけれど、教授と学生。
それだけがあたしたちの差ではないことは当人たちが一番分かっている。
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