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「いつまでここにいるんだい?」
「先生が帰るまで。」
また先生。という。
とあなたは怒る。
この関係を嫌がっているくせに、名前で呼ばないと嫌がる。
矛盾しているところが多々あるね。
「純一さん。これでいい?」
あたしはふさげて聞く。
少し怒った顔。あたしの方が年下なのに、精神年齢は先生のほうが年下だと思う。
男の人はいつまでも子供だよ。と誰かが言っていた名言を思い出す。
あたしの持っているコーヒーを取って口にする。
マグカップを持つその手とか
細めた目とか
好きなところをあげるといくらでもあげれそうな気がしてならない。
どこが好き?とかじゃなくて、全て好きなのだ。
好きになるのが当たり前かのように惹かれていく。
先の見えない迷路の中に喜んで入っていく。
二人で迷路の中に入り、楽しみながら不安を抱えている。
本当に、矛盾だらけだよ。
「もう10時だぞ。」
たしなめるような口調で話す。
大学生で10時というのは早い気がするのだが、大人の考えなのかな。とも思う。最近の若者は。と今にも口にしそうなコーヒーでぬれた唇を見つめる。
あたしが次の一声を放つまで口を開くまい。
と真一文字に閉じられている。
「だから?」
あたしは反抗する。
先生が思っていたような反応だったのか、そうじゃない言葉だったのか、付き合ってしばらくたつけどまだ分からないことが多い。
もっと知りたいと思う。
もっと触れたいと思う。
ねぇ、先生はこんなあたしを認めてくれる?
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