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「お前も頭の悪い生徒じゃない。こんな関係いつまで続ける気だ?」
諭すように言う。
先生。っぽいしゃべりがまたあたしとの距離を広げていく。
「ずっと。」
わざとワガママになってみる。
先生の目が諦め色に変わったのが見て取れた。
「何を考えているのかさっぱりだ。」
教授なんだから分かるでしょ?
というと、心理学は苦手でね。
と笑った顔が返って来た。
あぁ、なんて卑怯なんだろう。
その笑った姿があたしはとても、とても好きなのに。
あたしと純一さんはどうなっても二人になることはない。
いつまでもひとりと、一人なのだ。
失くしてもう二度と揃わなくなったパズルのピースみたいに、揃わない。
お互いどこか一線を引いていて、それが分かっているからその線よりもさらに後ろにいる。
だから近づけない、だから近づかれない。
手を伸ばしても到底触れらない距離に純一さんはいるのだ。
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