二人のヒイロ

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「や~ま~だ~」 失恋の傷を癒すには我が友しかいない、と思い、駆け寄る。 「うぜぇ!!」 ―ゴガンッ 襟首を掴まれ、力任せに引き寄せられる。 頭突きなんて酷い。親友に。 「山田~。慰めろよ~」 でもオレだって引かない。 「聞けよう!聞いてくれよ~!や~ま~だ~!!」 すがりつく。 むっちゃすがりつく。 だって心が痛いんだ。親友なら慰めろ! 「何?何だよ、うっとおしい」 オレと同じく小男な親友、山田は、心底迷惑そうに眉間に深く皺を刻み込み、そんな事言いやがる。 五百円玉挟んでやろうか!!
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