ヒイロとヒーロー

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オレなんか相手にされないって分かってたよ。 でも好きだった。 艶のあるボブヘアーに、ぱっちりした大きな瞳。 綴じれば長い睫毛が影を落として、そのふとした仕草に、可愛いな、て思ったんだ。 入学して一ヶ月。 恋をして一週間。 失恋して一分。 せめて告白ぐらいちゃんとしたかった。 あんな物見たくなかった。 こんな事オレが言うのはおかしいと思う。でも裏切られた気分だ。 大好きな2組の若葉ちゃん。 緑生い茂る学校の裏庭で、若葉ちゃんとキスしてる一人の男。 三山 緋色。 オレなんかと違って、余すことなく振りまける美貌を持ってるナイスガイ。 ヒーロー候補の一人。
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