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『今度俺の前で弱い者イジメしたらぶっ殺すかんな!!』
最早コブタちゃんにその声は届かない。
倒れ込んだとはいえ押されただけなのに、自分の言動を棚に上げて、ここまで正義感を振りかざせる少年に呆気にとられたのを覚えてる。
『大丈夫か?怪我してる』
そう言って、優しく支えながらオレを立ち上がらせてくれる。
『いや、オレはちょっと擦りむいただけだし』
チラリと、伸びたコブタちゃんを見やると…
『んなデブより自分の心配しろよ』
と、ため息混じりに呟かれる。
その呆れた声が本当に心配そうで、この名前も知らない少年は、意外とお人好しなんだな、とか思った。
意外とだけど。
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