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『お前、この前もこいつに何かされてたろ?』
そう言って、踵で軽くコブタちゃんを小突く。
チンピラみたいな事を!
ってか、オレの事知ってたんだ!オレは知らないのに。
相手が知ってるのに自分が知らないと、何か変な感じだよな。ごめん、少年。
『隣のクラスの鈴村…だよな?鈴村、何?』
『あ、朝太郎だよ』
クラス隣だったのか。
『俺の事は“ヒイロ”って呼べよ!また何かあったら助けてやる!お前弱そうだもん』
一言多い。
それからちょくちょく助けてくれる。
オレが困ってると助けてくれる。
オレが泣いてると助けてくれる。
オレに何かあると助けてくれる。
オレが悲しむと困った顔をする。
オレが怒ればしょんぼりする。
オレが笑えば一緒に笑ってくれる。
その日から“ヒイロ”はオレのヒーロー。
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