最初の仕事

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あれ? 今朝は目覚ましが鳴らなかったな。 :布団の中でまだ目をつむりながら、手探りで、枕元の目覚まし時計を探る。 手に当たった四角い感触を布団の中に引き入れる。 今、何時だ? :まだ開きたくない瞼を薄く持ち上げて、時計の文字盤を見る。 ん、ん? これ、何だ? 俺の目覚まし時計じゃないし。 こんなモン持ってたか? 記憶にないなあ。 :布団から起き上がり、外の明るさがしみているカーテンの側に、それをかざす。 何だ?これ。 針が付いてて、目盛りが、0から、左右に100まで。 電流計の様な。 でも、右に「善」。左に「悪」。 電流計じゃないな。 「善・悪」計、とか? :細かい連続的な電子音がし始める。 おっと。 今頃、目覚ましが鳴ってるよ。 いや、違った。 ケータイだ。 もしもし? だれ? 「それは、人間の善と悪を計ることが出来るカウンターだ。 今日からお前に預ける。 そのカウンターを使い、悪、が50パーセント以上の人間を見つけて、殺すこと。 今日のノルマは、一人。 ノルマをクリアしなければ、お前が死ぬ。」
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