ネコノコト

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その夜、仕事から帰ってきて少しゆっくりしていると彼女が帰ってきた。 「おかえり。」 「ただいま・・・」 元気のない返事を返された。 「夕飯、出来ているから食べようか。」 「えぇ……。」 やはりネコの事を怒っているのだろう、あまり口をきいてくれない。 「まだ昨日の仔猫のこと気にしているの?」 「…………」 「元々………所詮、捨て猫でなくなる運命だったんだから諦めた方がいいよ。君が落ち込む必要はないはずだ。」 「所詮!?諦める!?なくなるはずの命だったかもしれないけど、私が拾ったおかげで、助かった命じゃない。あなたに奪う権利はないはずよ!?」 「権利とかはないかもしれないけど、ここは僕が借りている部屋だ。わざわざ手間のかかるモノを拾ってくることないだろう。」 彼女は目に涙を浮かべている。 少しでもきつい事をいうとすぐに泣くなんて… 女って泣けば済むと思っているから扱うのが面倒な存在だ。
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