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アサノコト
次の日の朝、彼女は朝ご飯の支度をしている。
僕はご飯の炊けるニオイで目が覚めた。
「おはよう。」
「おはよう。」
軽く振り向き、返事を返してくれる彼女。
僕はまだ冴えない頭をかきながら、新聞を取りに行った。
「昨日の事はごめん。」
テーブルの上に並べられた朝食のいいニオイにお腹のムシも動き出し、小さく“ぐぅ~”と鳴る。
椅子に腰掛け、取って来た新聞を広げ目を通す。支度が出来、彼女も椅子に腰掛ける。
新聞を読むのをやめ、彼女の顔色を窺う。
「いただきます。」
必要以上なことは話したくないのか黙々と食べ始める。
「い、いただきます。」
「昨日のこと、もう気にしてないから。」
「えっ…」
彼女のその一言に救われた気がした。
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