ネコノコト

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「飼ってもいいでしょ?」 仔猫を片手で相手しながら僕に聞いてきた。僕は迷わず彼女に言い放った。 「駄目だ、飼えない。」 遊んでいる仔猫を掴み、大きく目を見開く彼女を横目にドアを開け投げ捨てた。 「何するの!?」 彼女は急いで外に駆出し、仔猫が投げられたであろう方へ行った。僕は草むらの方に投げたので大丈夫だろうと思っていた。 数分後、部屋の中で彼女が諦めて帰ってくるのを待っていた僕は、夕食の支度をと思い、台所へ向かった。 夕食の準備を始めて暫くするとドアが静かに開き、俯いた彼女が入ってきた。 両手には首の骨が折れ、ぐったりとなって生きているのかわからないさっきの仔猫がいた。
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