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「で?何でそんなんなったん?」
まだちょっと笑ったまま福が尋ねる。
「あんなぁ」
福の座るソファの真横に体育座り。もう可愛さアピールしたる。
一息置いて呼吸を整える。
「俺福ちゃんの猫耳が見たかってん。だから大人のお店で猫耳カチューシャとか買ってみてん。やけど福絶対嫌がるやん? ツンデレやし。あとこう自分のものの様に動くんが憧れやったから今まで見せへんかったんよ。そんなん只のパラレルやん? やけどやっぱり諦めきれへんかったから夢でラブリーな猫耳福に逢おうと思うて枕元に描いて置いといたら…」
「自分の方に着いとった」
「その通り」
息切れした俺の意図を汲み取ってくれた福ちゃん。大分引いてる顔してるけど。
「どうしたら分からんけど取り敢えず一人呑みして寝こけてる福田さんち行ったれと思うて」
「その通りやった自分が悲しいわ」
「あー、夢でも逢えへんかったんに自分に付いとるとかぁ」
がしがし頭を掻き乱しながら暴れる。残念やったねー、等と気のない答えが返ってくる。
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