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「やっぱり魚系がええの?」
靴を履きながら福が尋ねる。
「いや、別に」
「趣向は変わっとらんのか」
「んー、だから夕食はハンバーグがええ」
「…考えとくわ」
多分何種類かのハンバーグメニューを頭に浮かべているだろう福の背中に、でも、と投げる。
「猫舌だからいっぱいふーふーしてな?」
舌をちらりと見せながら可愛い子ぶってみる。
「、…考えとくわ」
後ろから見た耳を真っ赤にしながら、玄関の扉を開ける福。十中八九顔も真っ赤だろう。
暫く福の出ていった扉を見つめていたが、福の作る大好物と、その後に待つとびっきりのデザートに思いを馳せながら、おとなしくご主人の帰りを待つことにしよう。
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