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愛車を背にして、海を見つめる。
波を乗りに来ただけのその場所は、季節と時間帯も相成り、人がいなかった。
錆が出てしまうかな、とかぼんやり考える。それ程に海風は俺の体温を着実に奪っていた。
海からの日の出が見たい、なんて考えただけでも珍しいことなのに、それを行動に移すなんて今日の俺はどうにかしているんだろう。
寝不足な筈なのに、妙に目が冴えていたとか、こうやってぼんやり考えるオフも良いかな、とか考えた、とか誰に咎められる訳でも無いのに言い訳を考えている自分に気付く。
嗚呼、大人になっている。良くも悪くも。
缶コーヒーを持つ指先だけがじんわり温かい。
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