烏色の少年

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「かなた? まだ起きてないの?」 ベッドに腰掛け、僕を揺らす。 「ママぁ…まだ眠いよ。」 「もぉ~かなたは朝だけは苦手ね。 ダメよ? 起きて朝食にしましょう。」 「はぁい。」 上半身を起こして伸びをする僕を確認すると母親はニコリと微笑み、一階へ戻って行った。 少しも疑わない愚かさと純粋さ。 そして僕の演技の上手さに小さく笑う。 そう、君達は目に映る僕を信じていればいいんだ。
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