烏色の少年

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学校へ行くと沢山のクラスメートが僕の机を囲んで話し掛けてくる。 「黒崎、宿題見せてくれよ。」 「かなたくん、ココが分からないの。 教えて?」 「かなた!昨日のテレビ観た?」 とにかく色んな口実を作っては話し掛けてくる。 僕と接点を持ちたい奴ばかりなのだ。 僕はニコニコと全てに応える。 「黒崎ってスッゲーよな! 毎回テスト全部満点だろ? ウチの親が勉強ばっかりの子なんじゃないかって言ってたぜ!」 「アハハ。 そんな事ないよ。」 「だから俺言ってやったんだ。 黒崎は勉強もスポーツも完璧なんだぜって! そしたらアンタも見習いなさいって怒られちゃったよ。」 ガハハと下品に笑うガキ大将的なこいつも僕に気に入られたくて必死なのだ。 興味ないがね。
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