第壱の獲物

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どうやら来たみたいだ。 インターホンが鳴り玄関で母親と担任が立ち話をしているのだろう、時折楽しそうな笑い声が階下より届く。 予め用意した荷物を確認していると母親が呼んだ。 「かなた! 先生が迎えにいらしたわよ。」 余所行きのワントーン高い声。 「分かった。今行くよ!」 部屋のドアを開け、母親に返事を返すと僕はパソコンの電源を落として玄関へ向かった。 今日は先生と素敵な夜を過ごすのだ。 いや、素敵な夜はまだ先。 その日の為の下準備といった処か。 はやる気持ちを抑え、先生の自宅へ向かう。
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