第壱の獲物

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「此処にあるのは読んだ事のある本ばかりで、折角ですけど。 ごめんなさい。」 「そう…残念だったわ。」 眉をわざとらしく下げているが、こんなのは口実に過ぎなかったのだろう? お互いに、ね。 「この機会だから僕、先生とゆっくりお話がしたいな!」 今度は明るくなる表情、此れは素直な反応だろう。 「先生、正直に。 今、嫌な事って何かあります?」 「え…?」 「先生を見ていたら何となく。 …僕の話をしたら先生も話してくれますか?」 他愛ない話では無い。 此れが、僕の「下準備」ってやつさ。
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