烏色の少年

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叔父は父方の家系では唯一頭の良い人だ。 容姿も、僕と近いかも知れない。 艶のあるサラサラの黒髪。 黒く黒く大きな瞳。 叔父と僕の決定的な違いは…そうだ。 ポーズさ。 叔父は奇異な人間性を隠す事が出来なかった。 いや、奇異と言うのは語弊があるかも知れない。 あくまでも、世間一般の常識で見れば逸脱していたのだ。 優秀であるが故に。 僕は違う。 周りが僕に求める僕の像を完璧に演じる事が出来る。 常識の範囲内で天才と呼ばれる内に留めて欺くのさ。 僕は選ばれたんだよ。 分かるかい? 神に選ばれた特別な存在なのさ。
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