烏色の少年

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「はぁっ…はぁはぁ…」 この妄想だけが生を感じる瞬間なんだ。 身体中を暴れるように血液が巡り巡る。 熱くなる。 汗ばむ肌を冷まそうとパジャマのボタンを外すと 月明かりに照らされた僕の肌は 蒼白く透き通り その表面に汗がキラキラと妖しく彩る。 この薄い皮膚の下には紅い血管が張り巡らされていて、この白い肌の下に紅い紅い内蔵が詰まっている。 僕はそれを見たいんだ。 感じたい。 ―――ドクンッドクンッ 胸の内側から叩いてくる心臓を掌で包むと この手の中で暴れるだろうか。 抵抗するソレに力を込めて…     ぐちゃ
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