烏色の少年

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熱い…熱い熱い。 血液が集中し、膨張したモノをさすりながら妄想をやめられない。 これはきっと神が僕に与えた試練なのだ。 深く黒い夜空。 仄かな灯りを地に落とす月。 黒く黒い僕の瞳と酷似したこの夜空は僕を闇に溶かすだろう。 見えるかい? 僕はこんなにも…黒いんだ。 叔父が事件を犯してから僕は囚われた。 毎夜妄想に耽り、本当の僕の手を探り当てたんだ。 感化された? 馬鹿な。 僕は完璧だ。 あんなヘマはしない。 捕まる事もそうだが、そうじゃない。 確実に連れて逝ってあげられるんだ。 抵抗もされない。 それが出来るのは、選ばれた僕だけなのだよ。
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