烏色の少年

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「かなたぁ! 朝よ、起きなさい!」 階下から母親の声が響く。 僕は勿論、起きている。 だが、親というものは少々手の掛かる子供が好きなのだ。 ベッドにもう一度深く潜り、目覚めの悪いフリをする。 完璧な優等生のウィークポイントを作るのだ。 そうそう、自己紹介が遅れたね。 僕は黒崎かなた、小学5年生だ。 前に述べた通り、勉強も運動も完璧な優等生。 性格は温厚で子供らしい無邪気さがある。 どうだい? 子供としては完璧だろう? ―――パタパタ… いつもの様に母親が朝の弱い子供を起こしに部屋まで来る。
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