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「ありがとう」
アヤのこの笑顔がたまらない。
「やっぱエイジア見るなら一番前がいいよね」
「ここは特等席だな」
俺は一番前にいることと、アヤが隣にいることをそう言った。
もちろんその意味はアヤにはわからなかったと思うけど、俺にとっては特別な時間だ。
一曲目がかかり始め、フロアにいる人たちが揺れ始めた。
押したり引いたりする人の波が俺とアヤの距離を縮めてくれた。
体と体が当たる度に俺はドキドキして、ライブを見てるふりをしながら、何度もアヤのことを横目で見ていた。
そんな初々しい気持ちのまま、ライブは盛り上がり、俺にとっての楽しい時間は一瞬で過ぎ去った。
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