関口くんの日常

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    「…………真夜中に俺、俺って言う非常識な人に知り合いはいません」     携帯の向こうでは、寝起きであるコトが予想される不機嫌な声が返って来た。     「つれないなぁ。俺とお前の仲じゃぁん?」     少し拗ねたカンジで、電話の向こうの相手に言ってみる。     「……何か用すか?関口先輩」     「おー。俺だって分かってくれた?愛しの後輩クン」     「……こんな時間に電話して来る人は先輩しかいませんからね」     気持ち良く寝ている所を起こされて、相当不機嫌なんだろうなと分かる嫌味たっぷりの台詞が返って来る。     「悪い悪い。女のトコいたらさぁ終電逃しちゃってさ」     「……まさか迎えに来いとか言いませんよね?」     「その、ま・さ・か。ピンポーン。正解」     茶目っ気たっぷりに言ってやったのに、可愛くない後輩は、     「先輩、キモイ」     とか、言いやがった。
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