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……さて、どうやって帰るかな。
隣で女は軽い寝息を立てて眠っている。
①起こして送ってもらう。
……のは無理だな。
ちょっと残念な顔と体型の女と、ヤるくらい無理だ。
と、俺の息子が言っている。
断じて俺ではない。
俺は、女の頭の下から起こさない様に慎重に腕を抜いてから、煙草に火を点ける。
肺の奥まで煙を吸い込みフゥーと吐き出すと、生きてる実感が湧く。
体には良くないと知ってはいるが止める気はない。
煙草、酒、女。
この3つがないと俺、多分死ぬ。
……つくづく俺って俗物だなぁと己の業の深さに嫌気が差……さない。
悟りを開くのはもっと俗世を楽しんでからで充分だ。
息子がギブアップしたら考える。
「……さて、どうするか」
灰皿に役目の終わった、体に悪いヤツを押し付けながら、帰る手段を思案する。
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