霧につつまれた駄菓子屋

3/13
前へ
/34ページ
次へ
 さっき会社に定時連絡を入れたが、契約が取れるまで帰ってくるな!と厳しい上司の声に更に寒さがましてくる。  夕方間近の寒い街をあても無く歩いていた。  今日もらったお小遣いはタバコと缶コーヒーに消え、無一文の中年サラリーマンが漂う様に街を歩いている…。  「ふふっ」  なんだか可笑しくなって小声で笑ってしまった。  『なにやってんだろうなぁ…』  若い頃になりたくなかった大人に、なってしまっている自分に情けなくなってくる。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加