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🍵一日一善🍵
ある時、私は旦那の先輩と町でバッタリと会った。
顔見知りだったので軽く会釈をするとその男性はツカツカツカ…と私の側に来て
「おおっ❗大樹の奥さんだよね?」
と聞いてきたので私は
「はい。いつもお世話になってます。」
と良妻の決まり文句をスラスラと言ってのけた。
するとその先輩は淡々とこう言った。
「大樹さっき交番にいたよ。なんか尋問されてたよ。大丈夫かなぁ…」
「げっ❗マジっすか?(良妻失格の切り返し) 何やったんですかね?ケガしてました?ケンカですかね?」
「さぁ…よくはわかんないけど、婦女暴行とか…かな」
とか…じゃねぇよ❗
卑劣な犯罪ベスト3に入る重罪じゃん。
「あわわわ…何で…そう思われたんですか?」
「さぁね~」
先輩はそう言い残しフラフラとどこかへ立ち去ってしまった。
彼は不良だったけど、弱いものイジメはしない男だ。
先輩のバカッ❗
私は言われた交番に行ってみたが、もう旦那の姿は無かった。
交番で尋問を受けていたという話は鵜呑みにしている自分が悲しい…
心配しながらうちに帰ると、旦那が居間で呑気にテレビを見ていたので、私はバタバタと側に駆け寄り、問い詰めた。
「今日、交番にいたでしょ?」
「ん?あぁ…何で知ってんの?」
「やっぱり、本当だったんだ。何したの?ケンカ?何?ねぇ❗」
「何も…してねぇよ…」
「何もしてないのに警察に捕まる訳ないじゃん❗馬鹿じゃないの?」
「何もしてなくても交番に行く事はないのかよ?絶対に?」
「ないね。」
「セーラームーンの…」
はっ?
「セーラームーンの財布拾ったんだよ。で…交番に届けたの。」
ゲゲッ…やっちゃった❗
『社長❗ここに置いていたお金が無くなってるんですっ‼』
『何ぃ?どういう事だね…礼子君。』
『確かにここに…はっ❗そういえば最近入社した竜二君…昔かなりの不良だったらしいんですよ。』
昔不良の竜二君は真面目に働いていたにも関わらず疑われて解雇。
その後お金は礼子君の勘違いにより別の場所で見つかるんだ。
理不尽な世の中…
可哀想な竜二君…
交番に居ただけで罪を犯したと妻に疑われる大樹君…
同じだね…
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