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気だるさの中目を覚ますと、長い銀の睫毛を伏せたシュウの寝顔。
ぼやけていた思考が徐々にはっきりしてきて、私はめちゃくちゃ恥ずかしくなった。
あり得ないっ!!
なんであんな風になっちゃったの!?
もうシュウの顔、まともに見れないよ……。
頭を振りながら悶絶していると、シュウがニヤニヤしながら私を見ていた。
「何やってんだ?」
「……なんでもない」
「しかしお前、夕べは凄かったな」
ああっ! もう言わないで……!
「流石カイルの薬だな」
なに……?
「カイルの薬って……?」
「前にお前がカイルと共に行方不明になった時、お礼だって言って貰ったんだ。お茶にして飲ませれば、意外な夜の顔が見れるってな」
な……なんですとーっ!
「ひ……酷いっ! 薬盛るなんてっ!!」
「……帰ったらお仕置きだって言ったろ?」
カイルさん……離れていても私を虐める事に抜かりはないんだ……。
私が憮然とした顔をしていると、シュウは私をギュッと抱き締めて、こう言った。
「でも可愛かったぞ?」
くっ……! 卑怯な……っ!
ギュッてしてそんな事言われたら怒れないじゃないか……っ!
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