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結局シュウが薬を盛った事はうやむやになり、リビングで朝食を摂っていると、シュウが出掛ける準備を始めた。
「あれ? どっか行くの?」
「ああ、上級ランクのハンターに招集がかかってな、今日は説明会があるらしい」
「なんの?」
「さあな、年に数回はあるから定時報告なんじゃないか? いい情報交換になるから出来るだけ出席してるんだ」
「ふぅん、じゃあすぐ帰ってこれるんだね」
「ああ」
「良かった。またお仕事行っちゃうのかと思った」
するとシュウは優しく微笑んで、私を抱き締めた。
「そんな訳ないだろ? 夕べのお前を見たら、勿体無くて仕事なんて暫く入れられない」
「もう言わないで!! バカッ!」
「ははっ、じゃあ行ってくる」
シュウは私の頭をくしゃくしゃにして家を出て行った。
私は洗い物や掃除なんかを済ませ、一息吐いてると、家の呼び鈴がけたたましく鳴った。
あまりにもしつこい押し方に文句を言いながらドアを開けると、サリーナさんが切迫した様子でいきなり私の腕を掴んだ。
「サクラちゃん! お願い、助けて! レオンが……! レオンが!!」
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