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バイクに乗ってる時はなんだか話し掛け難くて、事情を聞けなかった。
今度は飛行船を操縦してるので、声を掛け難い。
私は隣で剣の手入れをしているパイロに聞いてみる事にした。
「ねぇ、どうして魔王城に行くの……?」
「ん? シュウから聞いてねぇの?」
「うん……」
「なぁシュウ、事情説明してもいいのか?」
「ああ、頼む」
シュウは前を向いたまま、そう応えた。
「最近行方不明者とか殺人事件とか種族関係無く多かっただろ? どうやら犯人は無差別に襲ってた訳じゃなかったみたいなんだ。狙われていたのは、全て異種間に出来た奴等、つまり禁忌の子だったんだ。だから一番安全な魔王城にサクラを連れてくって訳」
……じゃあレオンさんは……そいつに殺されたの……?
守れって言ったのは、私が狙われるかもしれないと思ったから?
「レオンはお前の事を犯人に話した可能性がある」
シュウが操縦席から、こちらを振り向いて言った。
「レオンはお前に謝っていたんだろう? 脅迫された挙句、殺されたのかも知れん」
……酷い。
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