946人が本棚に入れています
本棚に追加
/96ページ
レオンさんはカワイイ系が好みなので、シュウには興味ないみたい。
シュウに群がる人のうちの一人が彼女らしいが、特に気にしてないのはなぜだろう。
「……ねぇサクラちゃん、あなた……魔族と妖精の間に産まれたのよね……?」
「え? まぁ……そうですよ?」
「実は私、人間と魔族の間に産まれたの」
「レオンさんも?」
「ええ……。ところであの話、シュウから聞いた?」
「何をですか?」
「……ううん、聞いてないならいいわ」
「えーっ!? 気になるじゃないですか!」
そうは言ったものの、レオンさんの表情は不安そうで、淋しそうで、とてもそれ以上聞けなかった。
「はい! 出来たわよ!」
タイミングがいいのか悪いのか、サリーナさんがいい匂いを振り撒きながら、夕食を持って来てくれた。
私はもみくちゃにされているシュウを救出し、カウンターに連れてきた。
盛大なため息を吐いたシュウは私を横目でギロリと睨み、耳元でこう囁いた。
「……帰ったら、お仕置きな……?」
お仕置きっ!?
「……なんで? 私何もしてないけど……?」
「獣の檻に投げ込んだ」
最初のコメントを投稿しよう!