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「獣って……失礼でしょ?」
「お前は獣を手懐けるのが上手いからな」
ムスッとして食事を始めるシュウ。
怒ってるぅ……。
しかもほっぺに沢山口紅付いてるの教えてあげたいけど……なんか声かけにくいから放っておこっと。
一足先にシュウにお仕置きをした私は、とりあえず美味しい夕食にありついた。
「ん~っ! やっぱりサリーナさんのご飯は最高ですっ!」
「そ~お? うふっ、ありがとう」
美味しいご飯ですっかり気分がよくなった私は、隣で不安に顔を歪めているレオンさんに全く気付かず、ご機嫌でサリーナさんのお店を出た。
「あー、お腹いっぱい! 楽しかった……ね……?」
未だに不機嫌なシュウは、サリーナさんに教えてもらった口紅の跡を赤くしながら(かなり強く擦ったらしい)私を睨む。
「もお~、シュウったらいつまでも怒ってないで! ね?」
私はご機嫌を取るようにシュウの腕に絡まる。
シュウは軽くため息を吐いて微笑んだ。
「まぁいいか。うちに帰ったら、たっぷりストレス発散出来るしな」
とても、とても優しい笑顔……に、黒い影がさす。
……あれぇ?
なんかうちに帰りたくないような……?
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