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「魚もいんだね」
「そらなぁ、自然は向こうより断然上だし」
「携帯通じないくらいだしね」
呆れたように亮を見て、奈美は溜息混じりにつぶやく。
「慣れれば結構気にならんぜ?」
「はい、そうですか」
再び歩き出す2人。
「ようやく道がマトモに……」
「駅前はあえてあぁなってるからなぁ」
「なんで!?」
「さぁ? それは俺に聞かれても」
「自然護りすぎでしょ……いくらなんでも」
「ここ上行くと景色綺麗なトコに着くけど……」
「え、道ないじゃん……?」
整備された道の両脇は、すぐ山になっている。
亮が指差したのはその山の一部。
「ココ、ココ」
草を軽く掻き分けると、ぽっかりと穴が。
「うわーお……」
「登る?」
「ま、またの機会に……」
「あいよ」
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