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「マリア…」
その闇から
ライルの声が響く。
悲しみを含んだ声に
真璃亜の足はすくみ
一歩も動けなくなる。
視線を逸らす事も出来ず
ただ闇を見つめ。
「………っ!?」
闇から溶け出した姿に
思わず息を飲んだ。
その頭には
ねじれた白い角が二本。
その背中には
黒く大きな翼が生えていて。
「ライル…なの…?」
目の前の現実を
信じる事が出来ずに
真璃亜は呟く。
返事の代わりに
伸びて来た手には
尖った長い爪があった。
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