◆三章◆

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  「マリア…」 その闇から ライルの声が響く。 悲しみを含んだ声に 真璃亜の足はすくみ 一歩も動けなくなる。 視線を逸らす事も出来ず ただ闇を見つめ。 「………っ!?」 闇から溶け出した姿に 思わず息を飲んだ。 その頭には ねじれた白い角が二本。 その背中には 黒く大きな翼が生えていて。 「ライル…なの…?」 目の前の現実を 信じる事が出来ずに 真璃亜は呟く。 返事の代わりに 伸びて来た手には 尖った長い爪があった。  
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