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しかし
やがて体力に限界が来て
木の幹に寄りかかり
呼吸を整える。
いくらか
緩やかになった
自分の呼吸。
その合間に
何者かの息遣いが聞こえて。
心臓が
ドクリと跳ねる。
耳を澄ますと
息遣いと共に
低い唸り声も聞こえて来る。
『森には
獣がいて危ないから』
ライルの言葉が蘇り。
気配のする方に
意識を集中する。
その何かは
じりじりと近づいて来て
徐々に姿が現れる。
その全貌は
見たことの無い獣で
例えるなら
大きな狼。
ただその大きさは
四つ足をついても
人の背丈程もあり。
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