◆六章◆

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  そこには 黒い翼を大きく広げ 獣の首筋に爪を立てた 異形の者。 ライルが 静かに見下ろしていた。 その赤く冷たい瞳は 獣と同等… いや、それ以上の恐怖を 真璃亜に与える。 「……ぁ…あ……」 声を出そうとしても 言葉にはならず。 「可哀想に… 怖かったんだね…」 ライルは そう言いながら 獣の亡骸を放り投げ 真璃亜へと歩み寄り。 「僕から逃げたりするから こんな目に遭うんだよ…」 獣の血により 赤く染まった手で 真璃亜の頬を撫でた。  
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