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そこには
黒い翼を大きく広げ
獣の首筋に爪を立てた
異形の者。
ライルが
静かに見下ろしていた。
その赤く冷たい瞳は
獣と同等…
いや、それ以上の恐怖を
真璃亜に与える。
「……ぁ…あ……」
声を出そうとしても
言葉にはならず。
「可哀想に…
怖かったんだね…」
ライルは
そう言いながら
獣の亡骸を放り投げ
真璃亜へと歩み寄り。
「僕から逃げたりするから
こんな目に遭うんだよ…」
獣の血により
赤く染まった手で
真璃亜の頬を撫でた。
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