◆六章◆

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  その表情は 笑ってはいるが 明らかに怒気を含んでいて。 「…逃げないって …言ったのに」 偽りの笑みは影を潜め 冷たく言い放つ。 そして 真璃亜のスカートをまくり上げ 鋭い爪で 太ももに一筋の赤い線を引く。 そこから滲み出る いくつもの赤い玉を 線に沿うように舐めて。 「…足があるから 逃げちゃうんだよね…」 真璃亜の 細い足首を掴み 一気に力を込めた。 ボキリ。 「ぅあぁぁぁ…!!」 鈍い音がして 激痛が真璃亜を襲う。 その痛みは 涙となって 真璃亜の頬を流れ。 「これで 逃げられないね…。 マリア… 泣き顔も可愛い…」 ライルは 嬉しそうに微笑み その涙を舐めとった。  
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